アメリカ次期大統領が決まってから銅相場が急激に動き出しています。
この先どうなっていくのか注目ですね!!
銅、トランプ氏「インフラ拡大」で活況 投機マネー警戒も 長く低迷していた銅市況が急騰している。引き金は米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏。10年間でインフラに1兆ドル(約107兆円)を投じる方針を打ち出し、銅需要拡大を期待する先物買いが活発になった。銅価は上昇し続けるのか。神戸市での銅国際会議に集まった関連企業首脳らは確信を持てずにいる。
「世界の銅需要は年率2%で増えている。苦しい時代は3年で終わる」。神戸国際会議場で開いた「Copper2016」。2日目の14日は主要企業首脳が相次ぎ登壇。チリ銅公社コデルコや資源大手アントファガスタのトップを歴任したディエゴ・エルナンデス氏は強気だった。
聴講者はこの発言に心強さを感じたが、足元の動きには驚きを隠さない。「トランプ氏勝利で銅価は下がると思っていた。全くの予想外だ」。大統領選の大勢が判明した9日、ロンドン金属取引所(LME)の銅の3カ月先物相場は跳ね上がった。11日には一時1トン6000ドル台をつけた。
トランプ氏勝利は世界経済の混乱を招き、銅価は落ち込むとの事前予想をインフラ投資拡大宣言が覆した。14日夕の時間外取引では同5660ドル前後と高値を維持した。
野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「10月25日から中国の建設需要の増加を見込み、投資家は買いに動いていた」と指摘する。中国の経済指標は改善していたところだった。港湾や空港、学校の新築や改修に必要な電線や電気機械に銅は多く使われる。大越氏は「米中インフラ投資への期待が銅相場反発につながった」とみる。
ただ業界は歓迎一辺倒ではない。JX金属の大井滋社長は「うれしい半面、投機マネー流入を警戒しなければならない」という。欧米ヘッジファンドや中国系投機集団が一斉に買い戻しに動いているとの見方は多い。住友金属鉱山の家守伸正会長も「価格が安定するかは未知数だ」。
銅鉱山開発を再起動させるには今のトランプ相場では不十分との読みもある。エルナンデス氏は「平均的な鉱山なら1トン6600ドルまで回復しなければ採算は取れない」と指摘する。
企業は市況変動に振り回されないため、採掘コスト削減が欠かせない。JX金属はコデルコと共同で、微生物などの働きを利用して鉱石から銅を取り出す量を3〜5割向上させる技術を開発。今後、自社鉱山向けに改良して導入する。三菱マテリアルはドローン(小型無人機)による空撮写真を活用し、採掘に影響する鉱山の地形変化を把握する技術を開発した。
銅は11年に1トン1万ドルを突破した。それ以降は中国で銅の流通在庫が膨れあがり、市況は急落。中国はかく乱要因となった。今はその需給調整は一巡し、焦点は米国経済に移っている。米国の次の一手が銅市況を揺さぶる可能性がある。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09530700U6A111C1TI1000/本日の日本経済新聞記事(1016/11/15)